漢字の成り立ちと六書
漢字の6つの分類法
漢字は、古代中国で生まれた表意文字であり、意味をもとに形が作られています。その構造や成り立ちに基づき、「六書(りくしょ)」という6つの分類法が古くから使われてきました。ここでは、代表的な4つの成り立ち「象形(しょうけい)」「指事(しじ)」「会意(かいい)」「形声(けいせい)」と、若干複雑な「転注(てんちゅう)」と「仮借(かしゃ)」について、それぞれの特徴と例を紹介します。
六書(りくしょ)とは
六書とは、漢字の構成や意味の表し方による分類方法で、以下の6種類があります。
| 分類 | 読み方 | 説明 |
|---|---|---|
| 象形 | しょうけい | 造字法。形を写し取って文字にしたもの |
| 指事 | しじ | 造字法。抽象的な概念を記号で示したもの |
| 会意 | かいい | 造字法。複数の意味のある形を組み合わせて新たな意味を表したもの |
| 形声 | けいせい | 造字法。意味を表す部分と音を表す部分を組み合わせたもの |
| 転注 | てんちゅう | 転用法。ある字の意味を転じて別の意味に使うもの |
| 仮借 | かしゃ | 転用法。もともと関係ない字を音が似ていることから借りて使うもの |
象形(しょうけい)
象形文字は、物の形を写し取って文字にしたものです。もともとは絵に近い形で、意味が直感的に分かるのが特徴です。
指事(しじ)
指事文字は、抽象的な概念を記号や点などを使って表現した文字です。視覚的な記号で意味を示します。
会意(かいい)
会意文字は、意味を持つ複数の象形や指事文字を組み合わせて、新しい意味を作ったものです。組み合わせにより全体の意味が理解しやすくなっています。
形声(けいせい)
形声文字は、意味を表す「形」と、読みを表す「声」を組み合わせたものです。常用漢字の6割以上、漢字全体の8割以上が形声文字とされています。
- 河
- さんずい(水)+可(音)→水に関係+音「か」
- 海
- さんずい+毎(音)→水に関係+音「まい/かい」
- 荷
- 艹(草)+可(音)→植物に関係+音「か」
- 情
- 忄(心)+青(音)→心に関係+音「せい/じょう」
転注(てんちゅう)
転注は、ある漢字の本来の意味から派生して、新たな意味で使われるようになったものです。文字の形は同じまま、意味が転じるのが特徴です。
仮借(かしゃ)
仮借は、音が似ているという理由で、本来の意味と関係のない文字を借りて別の意味を表す手法です。いわば古代の「当て字」のようなものです。
漢字辞典ごとで分類が異なる理由
六書(りくしょ)は、古代中国の「漢字のつくり方」を分類した理論ですが、これは現代の言語学的な分類ではなく、後付けの解釈によるものです。
特に『説文解字(せつもんかいじ)』という、約2000年前の辞書がベースで、そこにある分類は「感覚的」「意味的」なものなので、必ずしも厳密に分けられるものではありません。
学者や辞典によっても「この漢字は実は指事ではなく会意では?」と意見が分かれる場合もあります。
まとめ
以上のように、漢字には様々な成り立ちがあります。それぞれの漢字の由来を知ることで、文字の意味や読み方がより深く理解できるようになります。日常で何気なく使っている漢字にも、古代人の工夫と知恵が込められているのです。
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